レヴィオルストーリー
「怖じ気づいた?」
ちょっと生意気に言ってみたイル。
「俺も全力を注いだ方がよさそうだ。」
フェニスは何故か笑顔で言った。
「笑った方がいいよぉ??」
「そりゃどうも。」
お互い、魔力を目一杯武器に注いだ。
「いくよぉ?」
「いつでも。」
「じゃあ、せぇ~…のッ!」
可愛い高い掛け声と共に、二人は一気に駆け出した。
そして、武器を力一杯相手にぶつける。
キィン!と高い金属音。
その後、カラン!と何かが落ちた音。
最後のドサッ!という音は、フェニスの倒れた音だった。
「………。」
そろそろそろ、とフェニスに近づくイル。
「…やったあ、勝ちぃ♪」
喜び、両手を上げた。
その片手には、傷のついたクナイ。
「…また傷増えちゃったぁ。ごめんね、ママ。」
イルは母の形見のそれを、優しく撫でた。
「…さてと♪レイはもう上に向かったみたいね!ギルクは…大丈夫よね、あたしの彼氏だし☆それに入ったら怒られそう…」
本気で怒るギルクを想像して一瞬青ざめたイルは、そのまま大広間の奥の階段に向かって駆け出した。