レヴィオルストーリー
「きっと魔王が結界を張ってるんだわ。」
「…そういう余裕があるっつーこと?」
「そうなるわね。」
ギルクは再び戦いの真っ最中の二人を見た。
微かに、本当に微かにだがアレンが押されている気がする。
「でもアレンだって…まだ大丈夫な筈よッ。きっと何か仕掛けるでしょ!」
そう言ったイルはアレンに声援を送り出した。
聞こえているのかはわからないけど。
ギルクとレイも、それに加わった。
「…ん」
魔王とのぶつかり合いの中、微かに声がした気がしてアレンは一瞬扉の方を見た。
集中しすぎて気が付かなかったが、怪我だらけの三人がいる。
〈フェニス…役立たずが〉
忌々しげに舌打ちした魔王はアレンを見る。
〈どうした?そろそろ終わりにするんだろう?〉
「……。」
アレンは剣を交えながらも三人を見ていた。
食い入るように、ジッと見つめて。
〈…余所見をするとは〉
魔王は呟き、突きを繰り出す。
が、隙をついた筈なのに、アレンはそれをかわした。