レヴィオルストーリー
「…ハァ、…まじかよ」
アレンは信じられない気持ちで目の前のモノを見た。
真っ黒な球体。
頑丈な結界。
少しヒビが入っているものの、魔王自体にはさほどダメージはいっていない。
(やばいな…。)
そろそろ疲れが限界だ。
さっきので更に酷くなった。
ピシ、という音と共に魔王が出てくる。
その表情には焦りが見えた。
〈貴様…その黄金の力は何なのだ。
我の“闇”と同等かそれ以上のものなど、この世にはアレしかない筈…。
なのにその力は違う。
アレでもないのに、何故…。〉
「…アレ??」
アレンが首を傾げると、魔王は少し動揺した。
「『アレ』…」
想いの力?
「…これは、想いの力も混じってるから…」
だから、魔王にダメージを与えれる。
そう思っていたけど、魔王はこの黄金の力にも反応している。
「…俺も、わからない。自分の力なのに…。」
改めて考えてみると、ありえないモノだ。
魔力は強いし何個もの性質を持っているし。
〈まぁよい…貴様を殺せばその脅威もなくなるだろう。〉
今度は魔王が自ら創った剣に力を籠める。
あの真っ黒な、母を殺めた剣に。