レヴィオルストーリー
「………………」
暫くしてアレンは動かなくなったそれから剣を抜き、離れて立ち上がった。
魔王だったそれは、その剣同様にすっと消えていく。
すると魔王が倒れていた位置に、真っ二つに割れた黒い宝石が現れた。
「魔王の心臓部分だわ…」
結界を解いたイルが、消え入りそうな声で囁く。
アレンはそれを、もう一度剣で叩いた。
パリン!と儚い音をたて、宝石は粉々になると風に飛ばされ散っていった。
「…勝った?」
アレンは三人の方を向いて、首を傾げる。
「…勝った!アレンが勝った!お前最高だあぁああ!!!!」
「やった!!やったぁ!!」
まず最初に歓声をあげたのはギルク。
そして次に事態に気が付いたイルがそのギルクに飛び付いた。
「いてぇ!」
「いったぁ!」
二人とも怪我をもろ打って悶える。
「………よかった」
小さく笑ったアレンは、駆け寄ってくるレイを見ながら力が抜けていくのを感じていた。