レヴィオルストーリー
「…あ、アレン」
「ん?」
「…私も、よ。」
消え入りそうなその言葉に、アレンは一度レイから離れた。
それでも片手は繋いだまま。
自分を上目遣いで見上げるマリンブルーの瞳。
うるうると潤んでいて、光が綺麗に揺れていた。
「私も、アレンが、好き。」
込み上げる喜びを噛み締めるように、レイは一言一言をしっかりと伝えた。
「……」
アレンがレイに負けないくらい真っ赤になる。
「…レイ、それ反則…」
「え?」
俯いたレイが顔を上げた瞬間、アレンはまた抱き締めると少し離れてその頬に手をそえた。
「アレ…」
「…目閉じて」
レイは言われた通りに目を閉じた。
頬に宛てられた大きな温かい手のひらに、自分の手をそっとのせる。
アレンはドキドキしながらも、自分も目を閉じて柔らかい唇に自分の唇をそっと重ねた。
海の波が、二人を祝福するように優しい音を奏でる。
暫くしてそっと離れた二人は、照れながらも笑いあった。