レヴィオルストーリー
44.勇者44代目
その日、レヴィオル国の首都モスフィックタウンはいつも以上に賑わっていた。
国中の国民が首都に駆け付け、真っ白な城の広場に集まる。
皆興奮したように囁き合っていた。
「…レイ?まだ?」
「イルもおせぇぞ~」
真っ白な扉の前で、アレンとギルクは二人して待たされていた。
「もう少し!女の子は時間かかるんだからぁッ」
「ちょっとだけ待って、ね?」
そんなやり取りが約30分前にも行われていた…。
「…そんな可愛くしてよぉ、国中の男がイルに惚れたらどぉするんだよぉ」
「…お前とことん馬鹿だな」
呆れながら言うアレンも若干そわそわしている。
二人は正装に身を包んできっちりした格好をしているのに軽い言い合いをはじめた。
その時、扉が勢いよく開いた。
「おっまたせ~☆」
「…何してるの?」
急にビシッと直立したギルクを見たレイは首を傾げる。
そしてアレンに目を移した。