レヴィオルストーリー
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それから約五時間。
走ったおかげで早めにゴア峡谷についた。
暗くなったので、ゴア峡谷のそばの小さな空き小屋にアレンとレイはいた。
アレンはさすがに五時間も走って疲れたのか、晩ごはんを食べてすぐにベッドの上で眠ってしまった。
「…アレンはすごいのね」
眠ったアレンに声をかけるレイ。
「五時間も走って。アレンの体力がわかんないわ」
しかも自分を途中までおぶっていたのだから、さらに驚く。
アレンは寝息で答える。
……答えてはいないけど。
「私も寝よう。おやすみ。」
アレンに毛布をかけながらそう言うと、レイはベッドに入り眠りについた。
レイが寝てから、何時間たっただろうか。
不意に、外から物音が聞こえた。
気配を感じ、アレンは目を覚ます。
「………誰だ…?」
小さく呟く。
レイは眠ったままだ。
耳を澄ます。
近くまで声がきた。
ハッとアレンが顔を上げた時、小屋のドアが開いた。
「…!?誰だ!?俺らの小屋に誰かいるます!!」
この小屋は、空き小屋ではなかったらしい。
しかも、この声はレイを襲っていた山賊のリーダーのもの。
敬語を使っているので、さらに上の立場の人間がいるのだろうとアレンは考えた。
「暗くて見えない…明かりをつけよう。」
山賊は明かりをつけた。
パッと明るくなる部屋。
ベッドでレイが眠っているのが見える。
「…おやおや~♪この間の美女ちゃんだ♪」