レヴィオルストーリー
山賊は五人くらいだった。
前のリーダーと雑魚三人と、一番図体がでかい筋肉質な男。
きっと、この五人の中で一番強いのはあの筋肉質な男だ。
「どれどれ…」
筋肉質な男はレイに手を伸ばした。
その瞬間。
物陰に隠れていたアレンは剣を抜き、神速ともいえる速さで男とレイの間に入った瞬間、男の手のひらに切りつけた。
「ぎゃああ!!」
男は驚いて声をあげる。
その声でレイは眠りから醒めた。
「…アレン?!な、何この人…、あ!!」
レイは筋肉質な男の後ろの四人に気が付いて、口を手で覆った。
「いてぇな、このガキ!!」
筋肉質な男は太い声でそう言い、アレンに殴りかかった。
それをサッとかわしながらレイを部屋の隅に避難させる。
「私も戦うわ…」
「…じゃあ、あの雑魚四人いけるか?あの筋肉質なやつは厄介そうだから」
「わかった」
レイは呪文を唱えて精霊を呼び出した。
それを横目で見ながら、筋肉質な男の前に立つアレン。
「お前の相手は俺だ。」
そう言って、目を鋭く光らせる。
アレンが戦いのときにする目。
それを見た筋肉質な男は、アレンがただのガキではないことに気が付いた。
「…なんだ、お前強いみたいだな…。久しぶりにやりがいがありそうだ。」
そう言って拳を握りしめ、コキコキと鳴らした。
「そりゃどーも。」
そう言ったアレンはまたもや神速で斬り込む。
男はでかい図体からは想像できないような俊敏さでかわした。
だが、アレンの速さには敵わない。
それを悟った男は、戦いながらも
「ガキは母ちゃんの胸ん中で泣いてろ!」
と、冷やかしをかけて揺さぶる作戦できた。
思った通り、アレンの動きが一瞬鈍った。
そこに思いっきり腕を振り下ろした。
が……………。