レヴィオルストーリー
6.二人の故郷
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
橋での騒ぎ(?)から1日経った。
ただ今、街長の部屋にお呼ばれ中。
アレンとレイは部屋の隅のソファーで優雅に紅茶を飲んでいた。
美形な二人のその姿は、絵になるくらい綺麗。
一方…。
「バぁ~ッカモン!!モスフィックタウンへのおつかいで三ヶ月かかる馬鹿がどこにおる!!」
「いや~、ここに?」
ギルクは苦笑いしながら答える。
「黙れ、こんの馬鹿息子!!ったく、『おつかいなんて余裕のよっちゃんだ~』なんて言うから任せてみれば…」
ギルクは街長の息子だったらしい。
アレンとレイは紅茶を飲みながらも素直に驚いた。
街長は「17歳にもなって…」とか「いっぱしの魔法使いが…」とか言ってかなり怒鳴り散らした。
そして、一時間後…。
「いやぁ、待たせて悪かったね、アレン君とレイちゃん」
街長はスッキリした顔でアレン達二人に話しかけた。
後ろでギルクが「なんで俺だけ?イルは?」と、たんこぶを押さえながら涙目で愚痴をこぼしていた。
イルはガタガタ震えながらギルクの背中にまだ隠れている。
「…いいえ」
アレンは内心もう少しギルクが怒られているのを見たかったりした。
レイはにこにこ微笑んでギルク達を見ている。
その顔は「自業自得よ」と言っていた。
「いやー、ゆっくりして行ってくれ。こんな息子達だが、こいつらもよろしく。」
どうやら街長はもうギルクとイルがアレンの旅についていくのを知っているようだ。
「息子達…?」
レイは首をかしげながらギルクとイルを見る。
「ああ、イルは将来のギルクの鬼嫁だからな」
街長はがっはっは、と大笑いした。
「鬼嫁じゃないもんーッ、花嫁だもんッ」
イルは拗ねながらそう言った。