レヴィオルストーリー
「まぁ、何にせよギルクの嫁になるんだろ?」
街長は元気よく言う。
「もちッ、あたまえ☆」
イルはウインクして言った。
「ん?何だその『あたまえ』ってのは」
街長はギルクと同じ黒い瞳をぱちくりさせながら聞いた。
「もぉ~ッ、あたりまえの略よ~ぅ。おじさんったら遅れてるう」
イルの言葉が相当ショックだったらしい街長は、少ししゅんとしていじけながら
「ここにいる間は俺らの家に泊まればいいから」
と言って仕事に戻った。
「ギルクそっくりだな」
アレンは感心しながら言う。
「嬉しくねぇ~」
ギルクはそう言って頭を抱えた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ギルクの家族はとにかく賑やかだった。
まず家に着いた時に飛び出してきたのはギルクの母。
「心配したんだからッ」とギルクを叱りつけ、
イルを見て「んまぁ~イルちゃん今日も一段とかわいいわね」と褒めあげ、
レイを見て「あらッ!!きれいな女の子ねぇッ!昔の私みたい!!」と大笑いし、
アレンを見て「あらあらあら~イケメンじゃない、私の好みよ」とウインクした。
そんな彼女はくの一らしい。
そしてギルクの姉、レナは晩ごはんの時にだるそうに二階の自室から降りてきて、
ギルクをちらりと見て「帰ってきたの?」と冷たい言葉を浴びせ、
イルを見て「あ、いらっしゃい」とごく普通の反応を示し、
アレンとレイを見て「誰?」とギルクに聞いた。
クールな彼女もくの一らしい。
みんな黒い瞳をしていた。