レヴィオルストーリー
少女、もといイルは立ち上がり、黄色いパーカーと淡いピンクのひらひらスカートをあくびをしながらはたいた。
アレンはイルが自分と一歳しか変わらないことに驚く。
(12歳くらいかと思った…。)
軽く失礼なことを考えていると、人の気配がした。
直後、茂みからガサガサと音が鳴る。
「イルッ!!」
茂みから飛び出してきたのは、青年だった。
赤い短い髪と真っ黒な瞳、黒いタンクトップと筋肉質な体がかなり目立つ。
「イル、大丈夫か?!お前、イルに何をした!!」
どうやらあくびで涙ぐんだイルの目を見て、何か勘違いしたらしい。
青年はアレンの方へ鋭い視線を向け、構えだした。
「何をしたって…。大木の下で一人で寝てたから声かけた」
アレンは素直に答える。
「嘘をつくな!!イルは泣いてるじゃないかぁぁッ!!ギルク様が天罰を下してやるッ!」
青年は叫びながら襲いかかってきた。
ひらり、難なくかわすアレン。
ギルクらしき人物は目を丸くした。
「な…、街で一番強いといわれる俺のパンチをかわすとは…!」
一人で盛り上がるギルクらしき人物。
イルがそこで口をはさんだ。
「ギルク、あたしあくびしただけだよ?」