レヴィオルストーリー
「何してんだろ、アレンさん?あれじゃ見えないよ」
ウリナが不思議そうに見つめる。
アレンは神経を研ぎ澄ましていた。
オージャスの気配が周りをくるくる回っている。
その規則性に気が付いた。
ゆっくり、瞼を上げる。
オージャスはアレンに四方八方から手裏剣を投げてきた。
剣を構え、それを全て払い落としたアレンはグルグル回るオージャスに突っ込んだ。
「ぐっ……」
「あっ!!!」
レイ達は全員声をあげた。
決まった。
……アレンの一撃が。
アレンはオージャスの背中に峰打ちを打ち込んでいた。
「……はっはっはっ、参ったよ、アレン君!」
オージャスは大声を上げて笑いだした。
ふぅ…と息を吐き、アレンは剣を鞘に納める。
「すみません、痛くなかったですか?」
「いやいや、このくらい平気だ。しっかし、強いなぁ~!!目が気に入った!」
オージャスはアレンの頭をガシガシと撫でた。
「わっ…」
アレンは驚き、クシャクシャになった髪を直す。
「よし、イルは行ってよし!!ギルク君とアレン君とレイちゃん、イルを頼むな」
オージャスはそう言って、エジャスに上着を返してもらいに行った。
それと同時にレイがアレンに駆け寄る。
「はい、お疲れさま」
にっこり微笑んでアレンに上着を渡す。
「…ありがと」
上着を受け取りながら、小さくアレンは微笑み返した。