レヴィオルストーリー
「何よう、ギルク。」
イルは不思議そうに首を傾げる。
「いや、…俺のは?」
「持ってきてないの?」
「…うん。」
「まぁったく~、買い物したときに買いなさいようッ」
そう言ったイルはマシュマロをギルクの口に放り込んだ。
「うえ、甘過ぎ…。お前ぇ、俺が甘いの若干無理なの知っててわざとやったな?!」
イルは「えーなんのことー」とフイッと視線を逸らした。
「おいしいわよ、これ」
「ん?これも結構いけるけど。いるか?」
うるさい二人の横で、のどかにお菓子を交換する人がいたとさ。
「じゃ、水汲んでくる」
「あ、私も」
アレンとレイは二人で側のサドア川に水を汲みに行った。
お菓子を出したまま草地に寝転んでいたイルは、それを横目で眺める。
「レイも健気ねー」
「何が?」
イルの横で同じく寝転んでいたギルクは不思議そうに自分の彼女に聞いた。
「分かりにくいけど結構アピッちゃってるじゃない♪」
「え!?レイが?」
(見た限り、普通の友達みたいだけど……?)
ギルクは鈍かった。
「レイ、恥ずかしがってるんじゃない?かわい~ッ」
と、寝転んでいた体を起こし、お菓子を片付けようとしたイルは……
「あぁぁあああぁああぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
いきなり大声を上げた。
驚いてギルクがイルの目線の先のものを見る。
………何かがいる。
………魚?
魚が、器用にえらを使って歩いていた。
イルのお菓子を両手(両えら?)に抱えて…………。