レヴィオルストーリー
それから三時間ほどして、アレンとギルクは戻ってきた。
アレンはそれなりに強かったらしいが、ギルクに強引に大量に飲まされ酔ってしまったらしい。
宿についた途端ベットに横になり、しばらく火照った顔をレイにあおいでもらった後眠りについた。
イルはあの怪しい紙を、一応ギルクに見せることにした。
「最も美しいもの?」
ギルクはそう言って首をかしげる。
「きっと、冗談よ。冒険者を脅して楽しんでるんだわ」
レイは不機嫌そうに口を尖らせて言う。
かなり気に食わないらしい。
「大体、そんな美しいものなんて、私は持ってないもの」
レイの鞄には冒険に最低限必要なものしか入っていない。
タオルやポーチや鏡、そして非常食、水筒に着替えにタオルに一本のペンとメモ帳など。
あとは、お小遣いだけ。
「俺もないぜ」
ギルクも言い、鞄をひっくり返して中身を見せた。
タオル、着替え、水筒、お小遣い。
本当に、その4つだけ………。
「…それは少なすぎよ」
「あたしもないけどなぁ~。」
イルはポーチと鏡とタオルと水筒、着替えにお小遣いに、大量のお菓子。
とてもじゃないけど、高価なものなんて一つもない。
「…………。」
3人は一斉にアレンの方を見た。
酔って眠ったアレンは起きない。