レヴィオルストーリー




それから三時間ほどして、アレンとギルクは戻ってきた。


アレンはそれなりに強かったらしいが、ギルクに強引に大量に飲まされ酔ってしまったらしい。

宿についた途端ベットに横になり、しばらく火照った顔をレイにあおいでもらった後眠りについた。



イルはあの怪しい紙を、一応ギルクに見せることにした。

「最も美しいもの?」

ギルクはそう言って首をかしげる。

「きっと、冗談よ。冒険者を脅して楽しんでるんだわ」

レイは不機嫌そうに口を尖らせて言う。

かなり気に食わないらしい。


「大体、そんな美しいものなんて、私は持ってないもの」


レイの鞄には冒険に最低限必要なものしか入っていない。

タオルやポーチや鏡、そして非常食、水筒に着替えにタオルに一本のペンとメモ帳など。

あとは、お小遣いだけ。


「俺もないぜ」

ギルクも言い、鞄をひっくり返して中身を見せた。


タオル、着替え、水筒、お小遣い。


本当に、その4つだけ………。


「…それは少なすぎよ」

「あたしもないけどなぁ~。」

イルはポーチと鏡とタオルと水筒、着替えにお小遣いに、大量のお菓子。


とてもじゃないけど、高価なものなんて一つもない。



「…………。」

3人は一斉にアレンの方を見た。

酔って眠ったアレンは起きない。




< 67 / 394 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop