レヴィオルストーリー
「アレン!!」
怪盗を峰打ちで倒したアレンに、レイが駆け寄る。
「ありがとう…私の為に…」
涙目で言うレイ。
うるうるした目で見つめられ、アレンの怒りはひいていった。
「別に…。」
いいから、早く宿に戻って寝たい。
アレンは心からそう願った。
「本当に、ありがとう。嬉しかった…。」
レイは頬を赤色に染めながら言う。
「うん、わかったから…。もう、帰ろ…。」
アレンはうんざりしながら宿に足を向けた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
翌日。
「怪盗ダリガンを倒したのは貴方ですか。」
警察がアレン達の泊まる宿の部屋に来て、いきなりそう言った。
「いやー、楽勝だったかな?」
照れながら言うギルクに、イルがげんこつを喰らわせる。
「ギルクじゃないでしょ、アレンー!!」
アレンはベッドに伏せていた顔を上げた。
「何」
「来て、アレンに用事だってぇ」
レイも一緒にドアのところへ行く。
「警察ですか?」
不思議そうに顔をかしげて言うレイを見て、おっさん警察の後ろの部下らしき若い男は真っ赤になった。
「警察?俺、悪いことしたか?」
すっかり二日酔いの治ったアレンは、この村に警察がいることに驚いている様子。
「いえ、怪盗ダリガンを倒して頂いたので、謝礼金をと思い来ました。」
若い警官がずいっと前に来て敬礼しながらきびきび言う。
おっさん警察は不愉快そうに顔をしかめた。
「謝礼金…」
アレンの目が光る。
「はい、これです。」
警官は袋を渡した。
すかさず中身を確認する四人。
アレンは一瞬嫌そうな顔をして若い警官を見て、何かを思い付いたようにレイにひそひそと耳打ちをした。
レイはアレンに頷いてから、にこっと笑って警官の前に出る。