レヴィオルストーリー
 

ゴーンと呼ばれた物体は、三人の方へ体を向ける。


三メートルはある巨体。でかいこぶの塊のような頭に、分厚い皮膚。

その全てが気持ちの悪い黄緑色だった。


「…やだぁ、あたしの魔法効かないんじゃないの?」

ゴーンの分厚い皮膚は、魔法の効果がない。

イルは嫌そうな顔をして呟いた。

「俺に任せとけッ!」


そうギルクが言った瞬間、イルに向かってゴーンが手を伸ばした。

もの凄い速さだ。


「うお、イル危ない!」

間一髪のところでギルクがイルを抱えて逃げた。

「何、超速い!!あんなに大きいのにあんなに速いの?!」

イルは目を見開いて叫ぶ。


「ギルク、イルのこと守っとけよ。」

アレンはゴーンの方を真っ直ぐ見ながら言った。

その碧の瞳は鋭く光っていて、さっきとは全然違って真剣そのものの顔だ。


アレンが言った言葉を聞いて、ギルクは驚く。


「お前、一人でゴーンと戦うつもりなのか?!」


「そうだけど。どうかした?」


アレンが不思議そうに言う。



 

< 8 / 394 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop