レヴィオルストーリー
ゴーンと呼ばれた物体は、三人の方へ体を向ける。
三メートルはある巨体。でかいこぶの塊のような頭に、分厚い皮膚。
その全てが気持ちの悪い黄緑色だった。
「…やだぁ、あたしの魔法効かないんじゃないの?」
ゴーンの分厚い皮膚は、魔法の効果がない。
イルは嫌そうな顔をして呟いた。
「俺に任せとけッ!」
そうギルクが言った瞬間、イルに向かってゴーンが手を伸ばした。
もの凄い速さだ。
「うお、イル危ない!」
間一髪のところでギルクがイルを抱えて逃げた。
「何、超速い!!あんなに大きいのにあんなに速いの?!」
イルは目を見開いて叫ぶ。
「ギルク、イルのこと守っとけよ。」
アレンはゴーンの方を真っ直ぐ見ながら言った。
その碧の瞳は鋭く光っていて、さっきとは全然違って真剣そのものの顔だ。
アレンが言った言葉を聞いて、ギルクは驚く。
「お前、一人でゴーンと戦うつもりなのか?!」
「そうだけど。どうかした?」
アレンが不思議そうに言う。