レヴィオルストーリー
9.レイの目的
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
カカサビレッジを出た四人は、再びモスフィックタウンに向かうことにしていた。
金持ちになったから大きい街で買い物したい!!
と女子二人組が言い出したからだ。
金持ちになったのはレイのおかげだと、ギルクも賛成した。
アレンは俺のおかげなのに…、と心の中で若干拗ねたが。
「この先のリバス河は、船で渡るそうよ」
レイが何かの本を読みながら言う。
「船?!船、船!!」
するとイルがきゃぁきゃぁ騒いで興奮しだした。
「河なのにそんなに広いのか?橋じゃねぇの?」
うるさいイルを冷たい目で見たアレンが、レイに視線を移して不思議そうに聞く。
聞かれたレイは首を傾げて少し考える仕草をした。
「まぁ、この国で二番目にでかい河だし…。橋はさすがに無理だったんじゃないかしら?お金がかかりすぎるとか…。」
「ふ~ん…」
聞いたわりにはあまり興味を示さないアレン。
「あ?」
ギルクがかなり先の方を見て首をかしげた。
「どしたのぉ、ギルク」
「いや…なんか…。変なのが見えた…」
「ナニソレ?何にも見えな~い」
わざわざギルクの肩に登ったイルが言う。
「いや…、あるってば。
『船の運航中止中』って看板が…。」
ギルクの言葉に、アレン達はピタリと息ぴったりに停止した。
「嘘だろ」
「嘘じゃねぇッ!!俺の視力はすごいんだぞッ」
「野性動物ってことか」
「違うッ!!馬鹿かお前ぇ!!」
アレンが「は?」と怖い顔をしながらギルクに体を向ける。
「いや、何でも…」
縮こまるギルク。
「しょーがないわねぇ、あたしが見・て・あ・げ・る☆」
そんなギルクを知ってか知らずか、イルがそう言うと杖を取り出した。