レヴィオルストーリー
「おおよ!!行ってやるぜぇ!!」
そう言ったギルクは上半身の上着を脱ぎ、リュックにつめこんでそれを肩に担いだ。
イルはその背中に飛びつく。
「え、まじで…?まじでそれで行くの?」
アレンが呆れ気味に二人に訊いた。
満面の笑みで頷くイルと、親指をあげて得意げに威張るギルク。
「気合、いっぱあぁぁ~~~つッ!!」
そう叫ぶとギルクは河に飛び込んだ。
「えっ…!?嘘でしょ、本当に?」
まさか本気で行くなんて思っていなかったレイはそれを見てかなり驚いた。
イルを背中に乗せたギルクは激流の中をぐんぐん進んでいく。
「うわ、すげえ…」
けど、対岸は約1㌔先だ。
そんなに遠いのにいけるのか…。
「ほら、2人も来いよ!!」
ギルクが一瞬振り返って叫んだ。
「…まじでか?レイ、行くわけ?」
「…………。」
「レイ?」
アレンが黙っているレイの顔を覗き込んだ。
碧の瞳に見つめられる。
「…私、泳げないの…。」
レイが顔を真っ赤にして俯きながら呟いた。
「…まじ?じゃあ俺が泳ぐから…背中乗るか?」
アレンのその提案にレイがおずおずと顔を上げた。
「え?…え?」
「だから、ギルク達みたいに…」