レヴィオルストーリー
第三章◆神の予言
11.遺跡
買い物を終えてモスフィックタウンを出たアレン達は、メアンビレッジに来た。
レイの行方不明の兄が考古学者らしいので、考古学がさかんなその村なら手がかりをつかめるかもしれないと思ったからだ。
レヴィオル国で一番大きく長いローム河を渡り、6日かかってやっと着いたのだった。
只今の現在地は、宿の部屋の中。
「…あと15720¢(セリヌ)…。」
アレンはため息をつき、呟いた。
首都での買い物と宿泊代のせいでお金がピンチだ。
これは四人では足りない。
「…何か儲け話ねぇのかな」
ベッドに仰向けに寝転び、頭の後ろで手を組んだ。
「さぁね。もしかしたら大食い大会があるかも!!そしたら俺が優勝して…」
「それ、お前の理想だろ」
よだれをたらしながら興奮するギルクに静かにツッコむ。
「ちぇー。でも本当にそうならねぇかなぁ。」
ギルクもベッドに寝転んだ。
レイとイルは情報収集に出かけている。
だから、男子二人。
「たまには男だけってのもいいな」
「そら、このギルク様だからな!!楽しいに決まってる!!」
「たまにだけどな。」
拗ねるギルクを見てアレンが小さく笑う。
「アレーン!!ギールクー!!」
不意に外から声が聞こえた。
珍しく叫んでいるのはレイだ。
「ん?」
窓を開けて下を見ると彼女は一人で立っていた。
イルの姿が見当たらない。
「あれ?イルはぁ?」
「イルは今、村の近くの遺跡にいるの!!
そこに遺跡荒らしがいてね、お兄ちゃんはそれを止めに行ったことがあるみたいなの!」
いきなり有力情報ゲット!!
「おう、今行くから待ってろ」
アレンはそう言うと脱いでいた黒のジャケットをはおり、三階の窓からジャンプして降りた。