レヴィオルストーリー
「きゃあッ!!もう、ビックリするじゃない。危ないでしょ!!あんな所から降りないでっ」
レイの説教中にギルクも窓から飛び降りる。
「もうーっ、男子って何でそんなんなのよ!!いちいちヒヤヒヤしちゃうわ」
またも驚いたレイは膨れてしまった。
「ごめんごめん…。ほら、遺跡行こう」
アレンは軽くレイを宥めて話題を逸らす。
そしてそれは見事に成功した。
「あ、そうね。メビアス遺跡っていうのよ、すごく有名なところなの。」
「へー、俺聞いたことねぇやぁ」
ギルクが感心して言う。
「ギルクの故郷のトウキシティはここからだとかなり遠いものね。私はお兄ちゃんが話してたから。」
レイは微笑み、懐かしそうに呟いた。
「…会えたらいいな、兄ちゃんにさ。」
そんな彼女にアレンが前を見たまま声をかける。
「…うん」
「会えるさ、兄妹の感動の再会だぁ!!」
ギルクがそう言いながらごきげんにスキップして行った。
「あ、ギルクー!!そっちじゃないわよー」
「馬鹿だろ」
苦笑いしながらスキップで帰ってくる赤毛の青年を見たアレンが、こちらも苦笑いで小さく言った。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「あ、来た来たぁー。三人共、こっちよぅー♪」
イルが三人を見つけて手招きする。
その後ろの遺跡は巨大なものだった。
しかし、何ヵ所か壊されている。
たぶん、遺跡荒らしがしたことだろう。
「おまたせ、イル。」
「うん、じゃ、行きましょッ♪」
三人はいざ出陣と走り出した。
…三人、は。
「…おおおい!?アレン!何ぼけっと突っ立ってるんだよ、いい感じだったのに!」
一人残っていたアレンにギルクがギョッとしてUターン。
アレンは顔をあげると目を光らせた。
「なぁ、遺跡荒らし取っ捕まえたらまた謝礼金もらえると思う?」
その質問で他の三人はハッとした様に少年を見た。
「本当だ!!貧乏生活しなくてすむんだ!!」
「どんと来い貧乏生活」と言っていたギルクだが一応心配だったらしい。
話に食い付いてきた。