ブラウニーと唐辛子
「何か、探し物?」
キョロキョロと辺りを見回す吉野に言う。
「愛乃。」
「え?先に行ったんじゃないの?」
その言葉に首を振る。
「昨日から帰ってない。お前の家に行ったかと思った。」
「うちに来るって……遊びにくらいしかないよ。」
「友人の家というと、それしか浮かばない。」
「……何があったの?」
淡々と言う吉野に首をかしげる。
「家庭の事情だ。」
「まさか、暴力とか?それで、逃げ出した……とか。」
(反抗って柄でもなさそうだし。)
「安易に話すわけにはいかない。」
吉野は生真面目な顔で言った。
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