ブラウニーと唐辛子
帰り道、吉野は愛乃を連れて帰っていた。
いつも周りにいる男子はいない。
「昨日は何処に居た。心配してたぞ。」
「ごめんねー。きのうはね……うろうろしてたの。」
「全く。物騒なのだから気を付けろ。」
「はぁーい。」
しゅんっと悲しそうに返事をする愛乃。
「きょうは、やさしいといいな。」
そう聞こえた気がした。
(……親の話かな。)
そう思いながら、話を盗み聞く。
二人共、話してくれないからこうして知るしかない。
そう思った。
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