天界の花嫁さま。
「…何をする気…?」

「俺の国では、母親が子供の育児を放棄した
 場合、その子供を諦めなければいけない
 という決まりがあってね。」

また聞いたこともないような決まりごとを、
恥ずかしげもなく堂々と言い張る。


「諦める、って…
 どういうことよ…!」

「………つまり…………」


赤ん坊をふわりと魔法のような力で
軽々と持ち上げる。



「こういうことだ。」



そのまま赤ん坊はフワフワと浮遊し、
留まった場所はーーーーーー





「 !!!


や め て … !!!」





気がつけば私の体は衝動的に動いていた。

赤ん坊の目の前に。



ーーーそこは、2階の窓。


そんな所から赤ん坊が転落したらどうなるか…

育児経験の無い私でもわかる。

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