たゆたえども沈まず
前日の夜は消化に良い物を。
お腹にまわされた腕とか、ぴったりくっついた足とか。
後ろから久喜の息遣いが聞こえる。
添い寝して、と言われた。
内容を聞く前に承諾してしまったので、断るのは気が引けた。
手には未だ久喜のピアスが握られている。
「これ、もしかして掘り当てた?」
聞こえる声に頷く。
手を開かれて、小さなピアスが掲げられた。
「花は咲いてなかったよ」
「残念」
「あ、ケーキが良かったね」
肉まんとあんまんじゃなくて。