たゆたえども沈まず
私が言うのも何だけれど、あの堅物のお母さんが。
久喜は一向に起きそうにないから、私も部屋に入って眠った。この部屋から出て十二時間も経ってないのに、色んなことがあった。
ベッドに沈んで目を閉じる。プリンス先輩に言ったらきっと笑われるだろうな。
起きると夕方になっていた。
部屋の雨戸は既に閉められていて、小さく灯りがついている。起き上がって部屋を出ると、カレーの匂いがした。
「のんちゃん、今日カレーだってさ」
リビングに入ると、元気な久喜の声が聞こえた。サラダとかスプーンを運んでいる。