たゆたえども沈まず
今のわたしと久喜の関係は何だろう。
とても仲の良い友達か。それともただの宿木か。
美しい羽を持つ久喜は、また次の木に止まりにいってしまうのか。
「私……情緒不安定だ……」
「自分の状況を把握出来てるならまだ大丈夫じゃね」
そうかな。
そーだろ。
また手を繋がれて、止まっていた足を動かす。二歩もいかないうちに、久喜が立ち止まった。
何か、と顔を上げるとちょうど図書館から出てきたプリンス先輩がいた。
こちらを見て、明らかに固まっている。私は手を解こうとするけれど、久喜がぎゅっと握ってきた。