たゆたえども沈まず
二回目だ。久喜は覚えてないかもしれないけれど。
「……バイトも良いけど、学校にはもう通わないの?」
「んー、確かに学校楽しかったけど。行ってたときは温に会えるのが一番だったから」
前に「レアだ」と言われたことを思い出す。
私も久喜とたまに話すのが楽しかった。
じゃあ今はもう学校が楽しくないのか、と聞かれれば答えは否だ。
放送部もあるし、後輩もやっとできたし、来年は受験生だ。
普通に私は高校に通って大学受験する道を考えていた。それは久喜が学校に通っていてもいなくても。
じゃあ、と考える。