たゆたえども沈まず
私は久喜のいない生活を考えただろうか。
久喜は学校を辞めても私に連絡をくれた。それが私の唯一の救いというか、光というか。久喜とのつながりだった。
「私、久喜がいなかったら生きていけないだろうな」
なんとなく零れた言葉に、久喜はふっと笑った。
あ、と気付く。
「それ、俺の台詞なんだけど」
「久喜は私がいなくても生きていけるでしょう。現にクラブで知り合った女のところから電話かけてくるし」
「そんなことあったっけ?」
とぼけた顔をする。私は笑った。
松潟先輩と遊んだことあるの? と聞くことが出来なかったのは私の弱さが原因だ。