たゆたえども沈まず

こんなの部長にしか出来ない。
安堵ついでに笑ってしまいそうになる。

というより、部長はこんな風にクラスメートと話すのか。

「瀧本も絡んでるってこと?」

「さあ? あたしは教室に忘れ物を取りにきただけ。温、もうすぐチャイム鳴るから行こう」

私の手首を掴み、教室を出る。ちなみにプリンス先輩も一緒に出てきた。

出てすぐに、プリンス先輩がため息を吐いた。

「あー心臓出るかと思った」

「王子は何もしてないでしょう」

「部長は何をするか分からないのではらはらする」

「はらはら」

部長は少し笑って言った。そういえばどうして部長は教室から出てきたのだろう。


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