たゆたえども沈まず

















中間試験が終わった。

バイトが決まって、久喜はうちを出て行った。私も中間試験の期間は図書館通いをしていたので、お母さんが少し寂しそうな顔をしていた。

「お疲れさま」

「そっちも。どうだった、試験は」

「まずまずかなあ」

私は鞄を肩にかけると、久喜が手を握ってくれる。

久喜のバイト先は駅の近くに古くからある喫茶店となった。


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