たゆたえども沈まず
名前と番号はお忘れなく。
「嘘でしょう!?」
蘭子の声が放送室内に響き渡った。
「マイク無くて良かった……部長も居なくて良かった……」
「のんちゃんの言う通り」
「だってこれ見て!」
試験を無事終えた私達は、蘭子が出したプリントの先を見た。
「下位層に補習があるのは知ってたけど、上位には講座があるなんて聞いてない!」
プリンス先輩が苦笑いする。
私は卵焼きを口に運んだ。
「去年から入った制度だよね」
「ってことは温も講座を……?」
「受けてたよ」
あの頃は久喜もいたことを思い出す。