たゆたえども沈まず
片付けられていない段ボールに突っ伏した蘭子は、期末試験を頑張って上位に食いこんだらしい。
七月中に行くだけなので、用事のない私は別に苦ではないけれど、何もない中間層が楽だなあと思うときはある。
扉が開いて、部長の姿が見えた。
「若干一名どうしたの」
「人生の苦楽について学んでる」
プリンス先輩が答えると、ふーんと肩を竦めて空いている椅子に座った。
今日は一学期最後の放送の日。
来週からは補習と講座の両方が始まる。
「先輩、予備校行ってます?」
「今日の夕方から夏期講習始まる」
「大変ですね」
「受験生の努めだから」