たゆたえども沈まず






講座が始まった。

暑さに耐えて教室に入ると、冷房の風に震えた。

……違う意味で震えている子もいる。

「蘭子、そんな絶望した顔しなくても」

「だって今日好きな歌手のライブがあったのにいい」

よしよしと宥める。蘭子の後ろの席に座って、下敷きで煽いだ。

七月中に課題全部終わるかなあ。

先生が教室に入ってきて、講座組の人たちが席に着く。
前の方に座るかっちりとした空気と後ろの方のやるきのない空気が混ざる。

ちなみに私たちは前の方にいる。

「だらだらすんなー。最終日に小テストやるぞー」



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