たゆたえども沈まず
えええ、と教室中から非難の声が上がる。
何より蘭子の声が一番大きかった。
「今の三年の苦しみを見てわかるだろ。今の内に積めるものは積んでおけ」
先生の声に、放送部三年生の今の状況を思い返す。
プリンス先輩は焦っている様子はない。
部長は焦っている様子がないどころか、試験の為の勉強をしているところしか見たことがない。
……本当に素敵な先輩を持ちました。
蘭子が大きい溜息を吐いて、先生に睨まれる。
くすりと笑うと、次は私が蘭子に睨まれた。
「良いよ、温は頭良いもんねえ」
むくれながらコンビニで買ったアイスを食べる蘭子。