たゆたえども沈まず
私に八つ当たりされても困る。私はモナカを半分にして片方を渡した。
「ありがとう」
「夏休み明けの試験の為って考えれば乗り切れるよ」
「そんなポジティブに考えたくなーい! 休みの為に試験頑張ったのに!」
きいきいと怒る蘭子。火に油を注いでしまったらしい。
モナカの半分を齧りながら、この前受けた模試の結果がいつ返却されるのかと考えた。
「あ、温」
久喜の声と一緒に、久喜の姿が見える。
その隣に数人の見知らぬ人がいた。
夜の友達なのか、私よりも年上に見えた。
「と、香道だ」
私の隣の蘭子にも目を向ける。