たゆたえども沈まず
まあ確かに、この人たちは久喜の友達っぽい感じはするけれど、プリンス先輩の知り合いっぽくはないかな。
でも、先輩なら臆することなく打ち解けあいそう。
人数が多いだけ用意はすぐに終わって、二つ並べられたパラソルの下で膝を抱いた。
車から解放されて良かった……。
そんな気持ちを噛みしめて、息を吐く。
「お茶飲む?」
「……ありがとうございます」
隣に座ったプリンス先輩は、クーラーボックスからお茶を出してくれた。
私は鞄を敷物の上に置く。その重みに、そういえば図書館に行くはずだったんだと思い出す。