たゆたえども沈まず
あ、先輩なら久喜の妹さんのこと知ってるかもしれない。
「久喜の妹さんて、先輩の弟くんと同じ歳ですか?」
「うん、高一。なんで?」
「この前、妹さんに名前呼ばれて挨拶されたんですよ。それで少し気になって……」
こちらに近づく気配に顔を向けると、久喜が歩いてきた。
水着と上に薄手のパーカーを羽織る久喜を直視出来無いのは、言うまでもない。
私の前で少し立ち止まった久喜は、何を思ったのか私とプリンス先輩の間に座った。
暑くないの……? と疑問に思ったけれど、私の持っていたお茶を取っていく。