たゆたえども沈まず
いや、私は何も誘導とかしてませんからね。
「栂、今俺は何か言ったか?」
「がっつり抜き打ち……」
「何も言ってないな。うん、放送部頑張って来い」
体育館に二人で入って、先生たちが集まっている方へ行く。
その後ろ姿を見て、くすりと笑ってから私はステージへ歩いた。
既にプリンス先輩の友達が機器を運び終えてくれていたらしく、揃っている。
「おはようございます」
「おはよ。暑いね」
確かにエアコンのかからない体育館は暑い。こんな機械に囲まれているともっと暑く感じてくる。