たゆたえども沈まず

校長先生の有り難く長いお話しは終盤にさしかかっている、と思われる。

先生って、最後にひとつって言いながら何個も話すひとばかりだからなあ。
と、心の中でごちてみる。

「なんで?」

「なんとなく。そのまま捨てられたら嫌じゃないですか」

「栂でもそんなこと思うんだな」

「どういうことですか?」

「他人のこと思いやる気持ちがあるんだと」

先生がそんなことを生徒に言って良いものなのか。
普通、誰にでも思いやりの心はあるって教えるものなんじゃないのだろうか。

そんなところが青山先生らしいけれど。


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