POWER!!





「あ!大丈夫?臭いとれた?」





トイレから出ると、どこから持ってきたのか分からないタオルであたしの頭を拭きながら、クンクンと臭いを嗅いでる転校生。





「んー、水で洗っただけやったら消えへんなぁー」

「……」

「制服も臭いついてるしー…」





一人ベラベラと喋りながら頭を拭いてくれる転校生に、あたしは驚くしかなかった。





未だにこの状況を飲み込めない。





何でイケメン転校生がこんなあたしの頭を拭いてるの…?





訳が分からない。





「…あ!そうや!」





いきなり叫び出した転校生。





何だろう…。





何か言われるのかな…?





「着替えよう!てか、お風呂入ろう!」

「……へ?」

「こんな格好でおるの嫌やろ?」

「で、でも…」

「こっから家遠いん?」

「は、はいっ…」

「ほな、俺ん家おいで!」

「えっ……?」

「大丈夫、大丈夫!オカンもおるし、な!」





オカンもおるしって…?





「じゅ、授業、は…?」

「あー、ええよ、ええよ、授業なんか!まずお風呂が優先!」





イマイチまだ状況が飲み込めてないんです、あたし…




 
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