POWER!!





そんなあたしにはお構いなしで、引っ張られてやって来たのは、表札に南條と書かれた大きな家でした。





「ただいまー!」

「け、恵介お坊ちゃま!?学校はどうしたんですか!?」

「友達のピンチやったから帰ってきた!」





家に入るなり、数人のメイドさんたちが並んでいて、そのメイドの中でも少し年を取ったメイドさんと転校生は喋りながら広い廊下を通っていく。





その後ろをあたしは着いて行くだけ。





「その女性がお友達ですか?」

「おん、そう!えっと…名前何やっけ?」

「く、栗林彩矢です…」

「そう!その彩矢にお風呂入ってもらうから、沸しといて」

「あ、はい、分かりました」

「それと女の子の服も買ってきといて」

「かしこまりました」





もしかして、その服ってあたしに…?





「あ、あのっ…」

「彩矢!ここ俺の部屋!お風呂沸くまで、ここでおろ?」

「……は、はい…」





転校生のテンポに流されるまま、部屋へと入っていった。





この転校生は一体、何のためにあたしに優しくしてるの…?




 
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