ことり公園。
第1章
瞼を開くと、こめかみあたりが湿っているのを感じた。
暖かな気持ちと、……哀しいような、苦しいような、そんな痛みが何故か胸の奥に残っている。
長い長い、夢を見ていたような感覚。
ひとしきりそれに浸ったあと、じっと見つめていた視線の先には真っ白な天井と、消えたままの蛍光灯が映っていることに気が付き、自分が横たわっているのがわかった。
……ここは、どこだろう。
部屋の中は薄暗く、首を右側に動かすと、窓のカーテンは開けっ放しで、灰色の雲の隙間から顔を出した月が微かながらも輝きを放って、この部屋に光を与えていた。
消毒液のような匂いと、入り乱れた沢山の機械。
ベッドの周りは、桃色のカーテンに仕切られていた。
ぼんやりとここは病院なんだと悟った。
ふと、左手に温もりを感じて、わたしはそちらに目を向けた。
知らない男の人がわたしの手をしっかりと握ったまま、丸椅子に腰掛けて眠っている。
伏せられた瞼には長いまつげが揃っていて、頬には涙が伝ったような軌跡がある。
それが気になって拭ってあげようと思ったけれど、身体は動いてくれなかった。
……そういえば、どうしてここにいるんだろう。
わたしは、……わたし、……ずっと、何してたんだろう。
暖かな気持ちと、……哀しいような、苦しいような、そんな痛みが何故か胸の奥に残っている。
長い長い、夢を見ていたような感覚。
ひとしきりそれに浸ったあと、じっと見つめていた視線の先には真っ白な天井と、消えたままの蛍光灯が映っていることに気が付き、自分が横たわっているのがわかった。
……ここは、どこだろう。
部屋の中は薄暗く、首を右側に動かすと、窓のカーテンは開けっ放しで、灰色の雲の隙間から顔を出した月が微かながらも輝きを放って、この部屋に光を与えていた。
消毒液のような匂いと、入り乱れた沢山の機械。
ベッドの周りは、桃色のカーテンに仕切られていた。
ぼんやりとここは病院なんだと悟った。
ふと、左手に温もりを感じて、わたしはそちらに目を向けた。
知らない男の人がわたしの手をしっかりと握ったまま、丸椅子に腰掛けて眠っている。
伏せられた瞼には長いまつげが揃っていて、頬には涙が伝ったような軌跡がある。
それが気になって拭ってあげようと思ったけれど、身体は動いてくれなかった。
……そういえば、どうしてここにいるんだろう。
わたしは、……わたし、……ずっと、何してたんだろう。