ことり公園。
 むかついた俺がたかひろの頭をぐしゃぐしゃに掻き回していると、鶴田が横から入ってきた。


「あー、1位の人、知ってる。絵鳩 こうたって人でしょ?見たことあるけど、なーんか暗くて、いかにもガリ勉って感じだった。」

「ふーん。」


 大して興味も抱かずに、適当に返すと、たかひろはやけにそれに食いついた。


「やっぱり1位のやつとかって、そういうのが多いよな。なんか陰気臭い感じの!それなのに小鳥遊は、……」

 
 そしてたかひろがまだ何か言いかけたところで、その言葉は大きな声に遮られた。


「やめて!」


 意外なことにそれを発したのは鈴原で、俺たち3人は驚いて、目を見開いて鈴原を見つめた。


「こうちゃんのこと、悪く言わないで。」


 こうちゃん……?


 場は一気に張り詰めた空気に変わって、たかひろの力ない謝罪の後、


「……ごめん。」


 昼休み終了のチャイムが流れた。
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