おやすみを言う前に
そんなやりとりを重ね、一ヶ月が過ぎた熱帯夜。
【今何しとん?】という俺のメッセージに珍しくすぐ【家でテレビ見てます(^^)】という返事が来て、急に想いが高ぶった俺は勢いで電話をかけた。
「もしもし、雪町先輩ですか?」
「うん、急に電話してごめんな。今平気?」
電話の向こうで聞こえる声。一ヶ月ぶりに聴くその声が彼女の笑顔を蘇らせる。
「平気ですけど、どうしたんですか?」
「んー、なんとなく?麻衣子ちゃんの声聴きたいなー思て。」
「えっ。」
麻衣子が驚いた声を上げて、こっちまでドキドキしてしまう。突然緊張してきた。そんな自分は自分でないようでさらに鼓動が速くなる。