おやすみを言う前に

「でもさっき怒ったのはほんまやで。彼女に頼ってもらえんてむっちゃ寂しいんやからな。」

「うん、わかった。」

「頼られて迷惑なんか思わんよ。むしろ嬉しいからもっと信頼してや。」

「うん、ごめんね。」

「ごめんちゃうやろ、ありがとう、やろ?」


腕を緩めて至近距離に顔を近付けて、おどけたように言われた。

こんなところに大人の器の広さを感じる。いつも守ってもらって、引っ張ってもらって、私は何か返せているのだろうか。


「ありがとう!」


だからせめて、感謝の気持ちは言葉で伝えよう。
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