おやすみを言う前に
「一緒がいい。隣で寝たい。」
涙を堪えていう麻衣子。
それがあまりに可愛くて嬉しくて、思わず笑いが零れてしまった。
「なんで笑うの。」
馬鹿にされたと感じたのか膨れっ面をしている。それでもとろける頬を引き締められない。
「いや、嬉しくて。」
麻衣子にとってこの一言は相当勇気の要ることだっただろう。一生懸命に伝えようとしてくれたのだろう。
それだけで今まで抱えていたモヤモヤが吹っ飛んだ。
「麻衣子が言うてくれへんかったらどうしようかと思った。」
こっちおいで、と手を引いて、向かい合うように膝の上に座らせた。腰を引き寄せる。