おやすみを言う前に
試すようなことしてごめん、麻衣子。せやけど許してや。俺も好きな女の前でカッコつけたかってん。見栄が邪魔して、俺から誘ってばかりじゃ嫌やーなんてストレートに言われへんねん。
結局こんなこと言うてたら見栄もクソもないけどな。
「ほんまはちゅーも抱きしめるんも止めたろか思ったけど、それやと俺の我慢が続かないやん。今日言うてくれへんかったら限界やったわ。」
徐々に赤みを増してゆく頬。
どうしてこんなにも心を奪うのだろう。可愛い愛おしいと感じる気持ちがどこまでも膨れ上がる。
「それは、飽きてないってこと?」
上目遣いがあざとい。狙ってやっていても許してしまう。しかしこの状況で麻衣子が計算出来る奴でないことはよく知っているので、今回の上目遣いは天然だろう。天然って恐ろしい。