小児病棟
体操が終わると、今度は外に出て学年ごとにマラソンをするのが日課である。
もちろん、これも治療の一環だ。低学年は病院の敷地の周りを一周、高学年は二周する。一周は約一キロなので、正哉達高学年は二キロを走ることになる。

「はい! じゃあ五・六年生! よーい! スタート!」

体育の峯岸先生が手を叩いた。
峯岸先生は筋骨粒々としていて、いかにも体育教師という感じの先生である。白い半袖のポロシャツからは、日焼けしたムキムキの上腕二等筋を見せ、実にたくましい。
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