小児病棟
通路は、病棟と病棟の途中あたりは一旦屋根がなくなっている。
北川さんはドアから外に出た。正哉も、北川さんのあとに続いて外に出た。ドアから数メートル進めて北川さんは車椅子をとめ、上を見上げた。

「綺麗な星空だな」

空は真っ暗で、星がまたたいている。北川さんの吐く息は、少し白く見えた。

「そうだね」

正哉は、鉄の柵にもたれかかり、同じく空を見上げた。

「正哉?」

北川さんは、空を見上げながら正哉に言った。
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