小児病棟
「あー! 海の匂いだー」
バスから降りた正哉は、大きく背伸びをして深呼吸した。垣根の先には防風林が並び、その隙間からエメラルドブルーの海が見えている。そこから吹いてくる風は、生あたたくて、ちょっぴりサンオイルの匂いがした。
「はい! じゃあ、これからの日程を言います」
教頭先生は、大広間の壁に一日の行動表を書いた模造紙を貼り、振り向いて子供たちに話し始めた。
「じゃあ、これからの五日間、ここに書いてある通りに行動しましょう。まず、起床は六時、それから……」
教頭は書いてあるスケジュールを順に説明していく。
「かっつん、あとで貝拾いに行こうぜ」
「おお! 去年すごい綺麗な貝がいっぱい落ちてたもんね」
「じゃあ、夕飯の前に行こうぜ」
正哉と悟は、教頭の話などそっちのけで、海に遊びに行く計画を練っていた。
バスから降りた正哉は、大きく背伸びをして深呼吸した。垣根の先には防風林が並び、その隙間からエメラルドブルーの海が見えている。そこから吹いてくる風は、生あたたくて、ちょっぴりサンオイルの匂いがした。
「はい! じゃあ、これからの日程を言います」
教頭先生は、大広間の壁に一日の行動表を書いた模造紙を貼り、振り向いて子供たちに話し始めた。
「じゃあ、これからの五日間、ここに書いてある通りに行動しましょう。まず、起床は六時、それから……」
教頭は書いてあるスケジュールを順に説明していく。
「かっつん、あとで貝拾いに行こうぜ」
「おお! 去年すごい綺麗な貝がいっぱい落ちてたもんね」
「じゃあ、夕飯の前に行こうぜ」
正哉と悟は、教頭の話などそっちのけで、海に遊びに行く計画を練っていた。